中澤敬信

生命科学部 バイオサイエンス学科 教授

「社会性を制御する分子メカニズム解析 ー環境要因と脳機能-」

自閉スペクトラム症(自閉症)は社会的相互作用やコミュニケーションの障害を主な症状とする頻度の高い神経発達障害ですが、病因や病態の分子メカニズムは不明な点が多く残されており、未だ治療薬は存在しません。近年、遺伝的要因のみならず環境要因が自閉症と関連している可能性が指摘されていますが、環境要因が脳機能に影響を与える分子メカニズムはほとんど不明です。本発表では、患者iPS細胞由来神経細胞およびヒト型疾患モデルマウスを用いた自閉症の分子病態研究、および環境要因というやや曖昧なファクターが社会性行動の制御機構に与える影響に関する研究を紹介します。

研究テーマ

・脳高次機能の分子基盤解析

・iPS細胞関連技術およびヒト型疾患モデルマウスを用いた脳疾患の分子病態解析

・環境要因が脳機能に影響をあたえる分子基盤解析

記憶、情動、社会性、および概日リズムなどの脳高次機能の分子メカニズムは不明な点が多く残されています。私達の研究室では、①マウス神経細胞および疾患iPS細胞由来の分化神経細胞を用いた細胞レベルの研究、②マウス脳組織およびヒトiPS細胞由来の3Dスフェロイド培養を用いた脳組織レベルの研究、及び③独自に開発してきた遺伝子欠損マウスおよびヒト型脳疾患モデルマウスを用いた個体レベルの研究を融合的に展開し、脳高次機能、およびその破綻に起因する脳疾患の分子メカニズム解析を推進しています。特に、栄養・環境と脳機能との関連性に着目した農学的な研究にも力点をおいています。

大学プロフィール

農・動物・未来研究会

麻布大学と東京農業大学では共同研究プロジェクトを開始しました! 今回は2回のセミナーの実施を計画しています。 その案内、当日の様子などをこちらからお伝えします。

0コメント

  • 1000 / 1000