茂木一孝
獣医学部 動物応用科学科 教授
「情動・社会行動発達を支える母性因子とその作用メカニズムを探る」
母親のみが母乳を出して未熟に産んだ仔を育てるという進化を遂げた哺乳類動物では、母との関係性が仔の情動・社会行動発達に大きな影響を与えるといわれています。それでは、具体的には母からのどのような因子が仔に影響を与えており、仔の行動発達にはどのような神経系が関与しているのでしょうか?本発表ではこれらの疑問を解明するための取り組みとして、母性因子としての細菌叢や皮膚刺激の関与、また幼少期のオキシトシン神経系に着目した研究を紹介したいと思います。
研究テーマ
・情動・社会的行動発現メカニズムの解明
・動物のコミュニケーション能力の解明
・動物のもつ社会性の発達・進化学的視点からの理解
本研究室では、主にマウスとイヌを用いて情動・社会的行動の発現メカニズムや動物のコミュニケーション能力の解明を目指しています。また、動物の社会性は幼少期環境でどのように発達するのか、コミュニケーション能力はどのように進化してきたかといった視点からの研究も進めています。動物の社会性の成り立ちを理解し、動物との共生社会の発展に貢献することが大きな目標です。
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