岩田尚孝
農学部 動物科学科 教授
「ミトコンドリアの障害と胚の回復」
ミトコンドリア(Mt)は全ての代謝に関わる重要な細胞内小器官です。細胞内ではMtは厳密に管理されており、傷ついたMtは除去され正常なMtと置き換えられます。Mtの質や数は卵でもその能力を左右しますが、生殖補助の現場ではMtの質や数に影響する要員が沢山有ります。例えばドナーの加齢や体外培養や凍結保存といった要因です。今回の発表では卵や胚のMt管理について見つけた成果についてお話しします。
研究テーマ
・加齢が妊よう性の低下を招く原因の解明とその制御方法
・動物の卵子や胚の体外発育を左右する因子の解明とその応用
・胚移植を介した家畜生産と農家の収益改善
我々は、ウシ、ブタ、マウスやラットをモデルに使ってヒトや家畜の生殖技術の開発を行い、ヒトでは妊よう性の改善、家畜では生産性の改善を目指しています。大動物の卵子や胚、胎児や胎盤を対象にドナーの加齢や栄養条件が引き起こす機能不全やその対処法を研究しています。また卵子や胚を発育させる新しい培養基質や胚の移植方法の開発を行っています。開発した生殖補助技術を用いて和牛生産のビジネスモデルを作り、実学教育も行っています。
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